提灯探訪ブログ

提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。

[提灯を使った言葉集]2011/08/18

ちょうちんあんこう〔提灯鮟鱇〕

アンコウ目チョウチンアンコウ科の海水魚。頭上にある棒状の突起を光らせてえさを誘い寄せる。この突起が提灯に明かりを灯して、ぶら下げている様に見えるので名前の由来になっています。


太平洋や大西洋の深海に分布。
チョウチンアンコウは肉食で、発光器官はメスだけが持っています。
ルアーと呼ばれる頭の前の器官に発光器があって、これで獲物を誘き寄せて捕食しています。
発光はバクテリアによる青白い発光で、この光は遠くまで届きます。チョウチンアンコウの仲間にはこの発光器が顎の下にあるものもいますが、大半は頭の前に竿のような状態のルアーを備えています。
暗い深海の中では、遠くまでこの明かりが光って見えるようです。
闇夜に灯された提灯に「ふらー」と近づくと、深海では「パクッ」と食べられてしまうのです。


チョウチンアンコウの仲間はメスに比べてオスの体長は圧倒的に小さいです
そのため体の小さなオスは、メスに出会うとメスの体に噛み付き、離れないように寄生します。
噛み付いたオスはそのうちメスの体と同化し、血管でつながることでメスの体の一部となり、自分で餌をとらなくても、
メスの体から栄養を補給させてもらいます。そして精子を供給するだけの器官となってしまいます。
これは、広く暗い深海でオスとメスが出会える確立は少なく、一度出会えても次に再会のチャンスがなかなかやってこない。
だからオスはメスに出会うと、噛み付いて離れないようにがんばるのです。

しかし、メスのほうは、噛み付いてくれた1匹のオスに対して義理立てはせず、1匹のメスに複数ものオスがくっついているケースもあります。
ちょっと、オスとしては悲しいような気もします。

ただし、これらはチョウチンアンコウの仲間にだけ見られる特徴であり、通常食用にされるアンコウの仲間では見られないようです。