提灯探訪ブログ

提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。

[提灯レポート]2014/05/19

感動の再会

今回は感動の再会のお話です。

我々のような仕事ではない場合、ふらりと出かけてよく出会う提灯は、街中や観光地で見かける「看板提灯」になるでしょうか。


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 ところで弊社では、某ラーメン店さんの看板提灯の注文を頂いています。
入社した当時は雷門の提灯同様、「これもここで作ってんのか!!」と驚いていましたが、だんだんと慣れてきていました。
数ヶ月前、また新しく注文を頂いて製作しました。ちょうど店舗先に吊り下げて頂く大きな細長い提灯です。以前よりはその前後左右四面黒文字入りで、その文字の周りに白い縁を残して地色を赤く塗るという仕様でしたが、今回のものは地色を塗らず、白い無地のまま文字・ロゴを入れ油引き仕上げでありました。

仕上げた後、数日は弊社の中で油を乾かします。
我々スタッフは、油を乾かす、しばらくの間、その提灯の下や間をうろうろしているわけですが、その時ラーメン屋さんの看板提灯に、あることを見つけて何となく覚えていました。

 油を引く一番の効果はやはり防水性ですが、紙には少し透明感が出て、灯を入れた時は油を引かないそれより美しいものです。

つまり少し透けて見える。紙には竹骨がぴったり張り付いているのですが、竹には節というものがあってその節に少し特徴があるのが透けてよく見えたのです。
商品的に問題になることではないので全く気付かれないところでしょうが、人間の顔の特徴に置き換えると、"ほくろがあった"、ぐらいのことかしら。
とにかく数日後、無事納品されて行きました。

 そのまた数日後のことです。私が通勤で使っている最寄駅の前にそのラーメン屋さんの支店があるのですが、そこにもずっと以前に納めた赤塗り仕様の提灯を掛けて頂いていました。
その看板提灯が新しく白いものに掛け替えられたのです。

「あっ!! あの子やないの?・・・」
 
早朝、私は開店前のお店の軒先にすたすたと近づいて、吊るされたままの新しい提灯の、例の節のあるとこらへんを素早く見てみました。
まさしくあの"ほくろ"があるのを確認すると、少しにやりとして会社へ向かいました。

製作部 A